(ま、まずいですぞぉっ……!) 無骨な金属質なエレベーターの中、1組の男女が肩車で天井に手を伸ばす。 「だ、大丈夫……ですかな……?」 上に乗っているのは、ヘソ出しジャンパーに小さなホットパンツの、薄黄色の髪をした少女。 「ああっ……! 問題っ……! ないっ……!」 それを下で支...
――ジョボボボボボボボボボボ………。 「ふぅ……危うく漏らすところだったじゃないか、ロラン」 「すまんサトリ。まさかあのタイミングではぐれメタルが出るとは思わなくて」 僅かな明かりが照らす洞窟の中、気の抜けた会話をする2人の少年。 物陰から現れた刺々しいオレンジ髪は、サマルトリア...
「お昼の浄化の儀、間もなく始まりまーす!」 「ご参加を希望される方は、礼拝堂の中にお急ぎくださーい!」 正午近くの教会の庭に、溌剌とした声が響き渡る。 声の主は、まだ年若く可愛らしい少女達。 この地を蝕む『穢れ』を祓う責務を課せられた、ルストール教の見習いシスター達だ。 肌を締め...
【巫女】 除夜の鐘が百八つ鳴ってから、どれほど経っただろうか。参拝にいらしたお客様に向ける笑顔が、だんだんぎこちなくなってくる。笑顔でいなければいけないけれど、苦悶に顔が歪んでしまう。 (お手洗い・・・、なんとか抜けられないかな・・・。) アルバイトとはいえ、今は神に仕える巫女。...
――良い子にしていると、クリスマスの夜にサンタさんからプレゼントがもらえる。 幼い頃に聞いた夢の話も、大人になるにつれて真実が見えてくる。 でも、実は『本物の良い子』のところには、本物のサンタさんがプレゼントを持ってきていたのです。 おじいさんではない、子供には少し刺激の強い格好をした、『サンタのお姉さん』が。 「あ、あと、7件……んんっ! も、もう、我慢が……っ」 サンタの...
「楽しかったー!」 上山綾花(かみやま りょうか)は心から叫んだ。友人たちと来たプール。中学2年の夏は青春真っ盛りだ。11時から遊び通し、今は午後3時。遊んだだけ喉が渇き、さきほどたっぷり水分補給をしたばかりだ。 「じゃあねー!また遊ぼ!」 少女たちは皆自転車に乗り、家を目指す。...